「お気をつけて!」
ガソリンスタンドの青年は私に元気にそう言葉を掛けてくれました。
彼は5歳から中学3年生まで私が学習指導をさせて頂いた子でした。
地元では大企業が経営しているガソリンスタンドに、正社員で今年就職をしたそうです。
5歳で初めて会った時は、乳児期の大病のために言葉の遅れとよだれが止まりませんでした。
また、知能面でも1年から2年の遅れがありました。
学力面で普通といえるところまで追いついたのは中3の1学期でした。
公立高校に無事合格してくれたときは、お母さんと共に手を取り合って
泣きました。
あの日から3年が過ぎ、今日久しぶりに寄ったガソリンスタンドで互いに驚きと懐かしさで笑い合いました。
帰り際、誰にでも言うであろう「お気をつけて!」の言葉が私にとっては胸が熱くなるほど、ステキな言葉でした。